NHK Eテレ「ニャンちゅう」の声で30年以上親しまれてきた声優・津久井教生さん。2019年に難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」を公表し、2022年には惜しまれつつも声をバトンタッチされましたが、彼の「表現者としての人生」はそこで終わったわけではありませんでした。
2026年4月27日に発売された待望の著書『ALSと笑顔で生きる。〜声を失った声優の「工夫ファクトリー」〜』は、発売即重版、Amazonの医療・終末期医療ジャンルで1位を獲得するなど、大きな反響を呼んでいます 。
今回は、本書の魅力と、今まさに劇的な進展を見せているALS治療の最前線についてご紹介します。
書籍情報:『ALSと笑顔で生きる。〜声を失った声優の「工夫ファクトリー」〜』
| 項目 | 内容 |
| 著者 | 津久井 教生 |
| 発売日 | 2026年4月27日 |
| 出版社 | 講談社 |
| 内容 | 手・口・目を駆使して綴られた、ALS発症から現在までの6年半の全記録 |
「できない」を「どうやるか」へ。工夫ファクトリーの精神
本書のタイトルにもなっている「工夫ファクトリー」。これは、ALSの進行によって身体の自由が失われていく中で、津久井さんが実践してきた「生活を面白がる知恵」の集積です。
- 驚異の執筆プロセス: 手が動かなくなれば「割り箸」を口にくわえてタイピングし、最終的には「視線入力(目)」だけで、累計60万字にも及ぶ原稿を書き上げました 。
- 笑顔の源泉: トイレに行けなくなればオムツを研究し、声を失う決断(気管切開)を迫られた際も、最愛の妻・雅子さんの「生きればいいじゃん」という言葉を力に変えてきました 。
「失ったものを数えるのではなく、残されたもので何ができるか」をクリエイティブに追求する姿は、病当事者だけでなく、何らかの困難に直面しているすべての人に勇気を与えてくれます。
各界からの反響と最新の口コミ
本書には、声優界やアニメ界のレジェンドたちから熱いメッセージが寄せられています 。
- 田中真弓さん(ルフィ役): 「実の姉弟」のような絆を持つ津久井さんへ、深い敬意を込めたエールを送っています。
- 谷口悟朗監督: 本書を「津久井教生による新たな表現」であると高く評価しています。
- 歴代ニャンちゅうのお姉さんたち: 初代・白石まるみさんから九代目・柊瑠美さんまで、共に番組を作ってきた仲間たちが、津久井さんの不屈の精神に感動の声を寄せています。
SNSでも「介護をされる側の本音がこれほど明るく、具体的に書かれた本は他にない」「視線入力でこれだけの長文を書く執筆の執念に圧倒された」といった口コミが広がっています 。
【2026年最新】ALS治療は「コントロールできる」時代へ
津久井さんが発信を続ける一方で、ALSの医療環境も2024年から2026年にかけて劇的な進化を遂げています。
1. 新たな承認薬の登場
2024年以降、日本国内で以下のような革新的な薬剤が承認・実用化されました。
- ロゼバラミン(高用量メコバラミン): 2024年11月発売。発症早期の進行抑制に高い効果が期待される筋肉注射薬です 。
- トフェルセン(カルスディ): 2024年12月承認。特定の遺伝子変異(SOD1)を標的とした、ALS初の遺伝子標的療法です 。
2. iPS細胞による創薬
慶應義塾大学を中心に進められているロピニロール(ROPALS試験)は、iPS細胞を用いたスクリーニングにより既存の薬からALSへの有効性を見出したものです 。2026年時点では第3相試験に向けた準備が進んでおり、実用化が目前に迫っています 。
3. テクノロジーの進化
津久井さんも活用している「AI音声合成(ToSpeak)」や「視線入力」に加え、脳波で意思を伝える「埋め込み型BCI(脳・コンピュータ・インターフェース)」の開発も進んでいます 。これにより、「閉じ込め状態」になっても社会と繋がり続けることが可能になりつつあります。
まとめ:今を笑って生きるために
津久井教生さんは現在、肉声を失い、身体も動かせない状態にありますが、AIの「自分の声」と「視線のタイピング」で、今もなお私たちに笑顔を届けてくれています 。
『工夫ファクトリー』は、単なる闘病記ではありません。科学の進歩と人間の意志が合わさった時、どんな絶望も「新章の始まり」に変えられることを証明する一冊です。
ぜひ手に取って、津久井さんの「工夫」と「笑顔」の力に触れてみてください。
津久井教生オフィシャルブログ「きょうせいのブログ」

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